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岡山電気軌道3007形、黒塗りの電車「KURO」


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岡山電気軌道のKURO(3007形)とは、昭和44年より同社で運行している元東武日光軌道線の車両を2004年にリニューアルした同社最古参の車両です。水戸岡鋭治氏がデザインを手掛けています。現在では大正ロマンの立役者で、画家、デザイナーなどとして活躍した竹久夢二岡山県出身)の生誕130年を記念した夢二生誕130年記念号「KURO×夢二」電車として2014年より運行中です。

 


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この車両は栃木県日光市日光駅前から馬返までを結んでいた東武日光軌道線の車両として1953年(昭和28年)に宇都宮車両で10両製造されたうちの1両で1968年(昭和43年)の廃止まで同線で運行されていました。製造からわずか15年で廃止になったため、全車10両が岡山電気軌道に譲渡されました。パンタグラフをビューゲルから岡山電気軌道標準の石津式パンタグラフに交換するなどの改造が加えられた後、同社で順次運行が開始されました。そして先述したように「KURO」として2004年にリニューアルされ、別名「烏城」と呼ばれる岡山城にあわせた「烏の濡れ羽色」の黒を使用しているレトロで魅力的な車両へと姿を変えました。初めて見る人は「めっちゃ真っKUROな電車だ!!」と思うはずです。

 


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夢二生誕130年記念号「KURO×夢二」電車として運行されていることから竹久夢二の代表作が車体に掲示されています。片側には写真のように左から「立田姫」「秋のいこい」「早春」「童子」となっており、もう片側は「加茂川」「憩い」「宝船」「入り日」となっています。

 


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方向幕は両端の駅名が記載されており「どっち向きに進んでるんや!」と突っ込みたくなる仕様になっています。支線や営業距離の短い路線ではよく見かけます。本当に初めて乗る人にはどの方向に向かっている電車なのかわからなくなりそうですが、岡山電気軌道の営業距離は日本最短であることから方向幕の表示によって誤乗してしまうことはあまりなさそうです。この方向幕は譲渡時に中央へ移設されています。写真左下の「ワンマンカー」の表示もレトロ感があります。

 


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車内は写真の通り木が多く使われており落ち着いた雰囲気になっています。ブラインドにも木が使われています。実質すだれです。また、竹久夢二の作品のことなどについて解説された中づり広告が設置されています。電車に乗りながら美術鑑賞ができるため一挙両得ですが、広告の大きさが通常のサイズであることから座りながら鑑賞するのは視力の良い人以外難しいかもしれません。

 

 


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吊革は日本の鉄道・軌道含め初めて本革が使用されています。握り部分が低い位置にあるため、身長の低い人でも握ることができます。小学校の低学年くらいの時に乗車した際は、どの列車も吊革の握り部分がKUROくらい低い位置にあったらいいのになと思っていました。

 


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運賃箱についてはグレー系の色になっており、両備グループの車両で採用されているオレンジ系の色でありません。

 


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降車ボタンは押したら光るようなタイプではありません。窓側に設置されています。

 


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降車ボタンを押した際には運転席後ろ側にある「次とまります」の表示が点灯します。

 

 


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ドアは旧型車両でよく見かける仕様のままになっています。ドア付近に立つ時は注意しないと手などが巻き込まれて痛い思いをするかもしれません。

 

運行について

KUROは6月から10月は運行されません。また5月と10月は気候により運行を見合わせる場合があります。それ以外の日は1日5往復、岡山駅前と東山間で運行しています。岡山駅発の時刻は10:58、11:38、12:18、12:58、13:38となっています。

乗車は運賃のみで岡山駅前~県庁通りまでが100円、その先の東山までは140円となっています。こどもは半額です。ハレカはもちろんICOCASuicaなど全国相互利用の交通系ICカードも使えます。1日乗車券も400円(こども半額)で車内などで販売しており全線乗車する際などにお得です。

www.okayama-kido.co.jp


【余談】

以前ツイートしたものですが、岡山電気軌道の「MOMO」と「KURO」の並びが某アイドルグループを連想させる「ももクロ」と言えるのではないでしょうか?




 

 

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